東京事務所
意匠設計室課長補佐 メーカーの研究職から、
建築の道へ
01メーカーの研究職から、建築の道へ
高専の電気工学科を卒業後、メーカーの研究所で研究職をしていたのですが、自分には合わないと感じ、本当にやりたい職業を熟考した結果、思い切って建築の仕事に転職しました。実務経験も資格もなしでは転職は難しいと思ったので、派遣社員をしながら夜学で2年間建築を学び、二級建築士の資格を取ってから設計事務所に入社しました。そこでは施工図の作成と現場調整を主に行っていました。担当現場のゼネコンの副所長に意匠設計がやりたいと話したところ、そのゼネコンの設計部から人が足りないと声をかけていただき、意匠設計の仕事に就くことができました。
02苦労した資格取得と、転職によるキャリアアップ
一級建築士の資格はゼネコン時代に取りましたが、かなり大変でした。ゼネコンで朝8時30分から夜10時、遅いときには終電まで働いてから早起きして勉強、土曜日に10時間勉強、日曜日に資格学校に通うという日々を半年くらいつづけて何とか取ることができました。ゼネコンでは派遣社員という立場でプロジェクト全体を任される機会がなく、担当物件も集合住宅がほとんどでした。さまざまな建物を設計したかったので、2017年に大建設計に転職しました。
03イントラで共有される、設計のノウハウ
大建設計に来て驚いたのは、社員同士の仲が良く、また情報共有が進んでいることです。社内のイントラで見られる掲示板が2000年頃からあるそうで、わからないことを質問として書き込むと全国の事務所の方から返事が書き込まれます。ベテランも新人も別け隔てなく活発にやりとりがなされていて、読むだけでも勉強になります。現在私は鉄道関係の施設やホテルの設計をしていて、特に鉄道では特殊な事情も多く、わからないことが次々と出てきます。まずはインターネットなどで調べ、それでもわからないときには社内の人間に聞くのですが、みなさん忙しくても手を止めて、フランクに教えてもらえるので助かります。
04女性のみならず男性も、仕事より家庭を優先できる体制を
以前所属していたゼネコンでは、ある物件が忙しくなってくると大人数を投入して人海戦術で取り組むので、1人が負担する仕事量を分散させることができていました。しかし大建設計では、大型物件は別にして、1人または少人数でプロジェクトを担当する場合が多く、プロジェクト全体が見えて勉強にはなりますが、ピーク時の担当者1人あたりの負担が大きくなりがちだと思います。仕事を休むに休めない構造で、例えばプレゼンや外せない会議・出張があるときに「子供が熱を出したので休みます」とは言いにくい状況なのではないでしょうか。しかしこれからは、女性のみならず男性も、社会全体で育児や介護といった家庭の事情を仕事より優先させることが許されるべきだと思います。女性の活躍を推進すると言いながら、これまで通りに家事・育児・介護の大半を女性が担うという構造のままでは、女性がみな倒れてしまいます。仕事でも家庭でも、労力が上手く分散できる社会になればよいと感じます。