
Interview
地元が大震災で被災…
悲しみを乗り越え、愛する街を守る決意
構造設計室 下川 千晴 入社 7年目
※所属部署・入社年数はインタビュー当時のものです。
建物を建てるということは、一生に何度もない、特別な出来事です。建築設計の仕事は、日々の小さな作業の積み重ね、一朝一夕にできることではありません。その時にやるべきことを見極めて、コツコツとやり遂げることが大切だと日々感じています。
建築事務所で働くことを意識しはじめたのは、就職を控えた大学院生の頃です。地元が大地震で被災し、とてもショックを受けました。見知った町並みが大きく変わってしまった様子をテレビでしか見ることができず、歯がゆい思いをしたのを今でも思い出します。
研究室の先生にご配慮いただき、被災地の建造物を1軒1軒まわって建物被害を調べる「悉皆調査」に同行させてもらいました。調査の中で地元の方々と話していると、愛着をもった街の大きな変化や家の倒壊により、暮らせなくなったことへのショック、そして将来への不安などが浮き彫りになりました。頑丈な建物を作り、人々が不安を感じることなく暮らせる街を実現したいと思い、構造設計者を志しました。
「人々の安全を守る使命」構造設計で描く未来の街づくり
現在は、構造設計室に所属し、庁舎や工場、動物園を担当しています。構造設計は、建物がどこに建つのか、どんな人がどのように使うのかによって、常に変わります。構造種別は何がふさわしいのか、安全性の目標をどこに設定するかを、コスト感覚も大事にしながら、クライアントの求める建物を実現します。近年、地震や洪水など、自然災害が多くなり、人々の建物の安全性への関心が高くなっているように感じます。人々の安全や財産を守り、快適な暮らしを作ることが、構造設計者としての責任と感じています。
若いうちからプロジェクトの主担当として様々な物件に関われるのも、大建設計の魅力です。私は構造設計室に所属しているので、短いスパンで様々な用途の建物の設計に携わります。建物の概要を決める基本計画から、設計、建築申請、そして施工時の監理まで、最初から完成まで責任を持ってプロジェクトを担当します。先輩方や施工者の方からアドバイスをいただき、設計した建物の完成する様子を見届けることができるのは、何事にも代えられない経験です。

悲劇「女子トイレが足りません!」実現したトイレ増設の裏側
大建設計は働きやすく、休みが取りやすい会社だと思います。育児休暇や介護休暇の制度が整っており、利用することの社内の理解もあり、取得実績も多いです。最近では、男性社員の育休取得も増えてきました。
社員の意見も積極的に取り入れてくれる会社です。私が入社してすぐの面談で、所長や副所長に「女子トイレが足りません!」と伝えたことがありました。すると次の年にはトイレが一つ増えていました。
就活では、複数の組織設計事務所を受けましたが、大建設計の面接での印象が暖かかったことを覚えています。面接時間も一番長く、決まりきった質問ではなく、私という人となりを知るために質問してくれていることがよくわかりました。大阪事務所、という地域柄もあったのかもしれませんが(笑)。

「この人に相談すれば安心」と思われる存在になりたい
建築設計の仕事は、学び続ける姿勢が必要だと思っています。周りには、学び続ける先輩方がたくさんいて、身が引き締まる思いです。設計者としての目標は「困ったことがあれば、この人に相談すれば安心」と思われる存在になることです。
一人前の設計者になるために、コツコツと小さいことを積み重ねていくことが必要です。いろいろな方の意見や、業務の中で得た知見を柔軟に取り込み、自分のものにして成長していきたいと思っています。
